はじめに
AIXをベースにしたOSであるVirtual I/O Server、略してVIOSとはなんぞや、という入門記事を書いてみました。
一言でいうと、LPAR仮想化のデメリットへの対策です。
LPARのメリットとデメリット
ハードウェアの特性を活かしたLPARは、以下のように物理マシンに搭載されているネットワークカードを直接割り当てます。
それによってデバイスのパフォーマンスを最大限活かした高性能/高信頼なI/O処理が可能です。
一方、LPARを追加する度に物理アダプターの割り当てが必要というデメリットもあります。
VIOS
VIOSを導入すると、1ポートを複数LPARで共有することが可能です。
ネットワークカードだけでなくストレージ用ポートに関しても同様で、例えば同じポートに接続される複数ディスクを異なるLPARに割り当てる等の柔軟なリソース配置が可能になります。
利用法
LPARに対してVIOSを導入し、他のLPARをVIOSの管理下に置きます。
そのようなVIOS経由でI/O処理を行うLPARをVirtual I/O Client、略してVIOCと呼んだりします。
冗長化
VIOSは他のLPARの通信を引き受けるため、障害が発生すると全LPARに影響を与えます。
その対策として、以下のような冗長化構成をとることも可能であることも合わせて記載しておきます。
( http://www.redbooks.ibm.com/redbooks/pdfs/sg247940.pdf より画像を抜粋 )
終わりに
高信頼性が求められるシステムにおいては物理アダプターを直接利用することが多いですが、場合によってはVIOSを導入することによってI/Oカードを共有することも可能です。
以上、VIOSの入門記事でした。