アウトプット大全とは
ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書 大賞2019にもノミネートされている本書、
テーマは学びを結果に変えるです。
精神科医の著者故に、脳科学をベースに書かれているところもありますが基本は読みやすい文体なのでエンジニアという職業に関係なくオススメできます。
中身についてですが、
1章で以下のような問いがあります。
例えば、「月3冊読んで3冊アウトプットする人」と「月10冊読んで1冊もアウトプットしない人」とでは、どちらが成長するでしょうか?
タイトルから分かる通り、前者こそ成長すると述べられています。この本の肝はこの一点です。
成長という用語は曖昧ですが、知識が定着している、と読み替えると確かにその通りかもしれません。
本書の中でも紹介されている上の画像にある通り、アウトプットによって記憶が定着することは科学的にも検証はされているようです。
別に、他人に教えるとまでは行かなくても、自分でルーズリーフ1枚にまとめてみたりSNSに感想を書いたりするだけでも効果があると思います。
ここまでが概要で、あとは個人的に気になった箇所を紹介してみました。
個人的にメモした箇所
自分の意見、自分の気づきを一つでもいいので盛り込む
感想を話す時のコツとして紹介されていたポイントで、
本書の中では、事実 だけでなく 事実+感想,意見 がアウトプットの価値を高めると述べられています。
技術記事の備忘録にもなると、「こんなエラーがでたがこうすれば解決できた、以上終わり」という事実ベースの文体が必要十分と思ってしまいます。
ただし、ここで一歩踏み込んで自分の気づきを入れることができれば読み手側ももっとハッピーになるのかもしれない、そういう思考は意識していきたいと思いました。
質問は相手のためにもなる
本書で以下のように述べられています。
質問とは「自分の疑問を解決する」、つまり「自分のため」に質問すると考える人がほとんどだと思いますが、「質問される」と人はうれしい。つまり、質問は人を喜ばせるものである。」
これは同意できます。質問を考えながら聞く姿勢というのは、アウトプット目線で聞くから頭に入ってくるというライフハックですね。
もちろん、すっとんきょうな質問ではなく「適切な質問」と書かれているのもポイントなのでご注意を。
タイピングよりも圧倒的な手書きの効果
講義を手書きでノートをとる学生とノートパソコンでとる学生では、前者の方が成績が良いというデータをベースに手書きのメリットが述べられていました。
個人的な話ですが、最近iPadとApplePencilで書籍を読むのに凝っていて、実感としてもそう思います。
これは、読み飛ばす癖がある人は余計にそうだと思います。
終わりに
アウトプットという切り口で300ページ強ありますが、読みやすいのですぐに読めました。
中身も情報のアウトプットだけでなく感情のアウトプット(笑ったり泣いたり)についても述べられていたり、
「アウトプット術は、コミュニケーション術でもある」と述べらていたり、普遍的なテーマなので万人に当てはまると思います。
ここだけの話、読みやすさ故に本屋さんで立ち読みするだけでも良いと思います。
気になった方は手にとってみてください。