はじめに
本記事では、無線LANの高速化技術であるチャネルボンディングについてメリットデメリットを記載しました。
内容はできるだけ簡単に分かりやすく整理したので「そもそもチャネルボンディングとは?」という方は入門記事としてもご活用ください。
そもそもチャネルボンディングとは
チャネルボンディングの英語のスペルはchannel bondingで、複数の通信チャネルをまとめて一つの通信に使用することで通信の高速化を図る技術のことです。bondというのは結合という意味があることからもイメージが沸きます。
そしてこの技術は主に無線LANで採用されていて、具体的な規格で言うとIEEE 802.11nで初めて使用された技術。
よって今回は11nという規格で使用可能な周波数帯の一つである2.4GHz帯で説明します。5GHz帯に置き換えても肝は同じです。
メリット
大前提ですが、2.4GHz帯という言い方をするように通信は2.4GHzのみで行っていないです。つまり、使う周波数に幅があり、約2.40GHzから2.45GHzの間を使って通信しています。
しかし無線ということもあって異なる発信源が近しい周波数を送ることも想定されますが、近い周波数帯の電波源が近くにあると干渉という現象が起きます。よって、無線通信の観点ではできるだけ周りと被らない周波数で送る必要があります。
そのため、無線LANでは帯域幅の中で中心周波数を少しずつずらしたチャネルという考え方を用いて周波数の帯域を活用しています。
https://michisugara.jp/archives/2014/wifi.html より図を抜粋
ここでポイントですがこの横幅(図でいえば1chの横幅20MHz)が広ければ広いほど一度に多くの情報を送れます。
極端な例ですが、2.41GHzと2.42GHzしか送れない発信源と2.41GHzと2.42GHzと2.43GHzと2.44GHzを送れる発信源Bがあるとします。前者は2種類しかないのでそれぞれの周波数に1と0を対応付けをして送るしかないですが、後者は4種類あるので00,01,10,11の対応付けをして送ることができます。
これが、帯域が広いほど送れる情報量が大きい(=通信速度が速い)というイメージです。
さて、この横幅を二つ分つかって40MHzにすればどうでしょうか。図でいえば以下のような状態です。
https://www.infraexpert.com/study/wireless15.html より図を抜粋
倍早くなりますね。正確に言えば、チャネルとチャネルの間に少し隙間の周波数帯もあるのでそこの隙間も通信に使えて倍以上早くなります。
これが、チャネルボンディングのメリットです。
デメリット
メリットの説明を読めば、自ずとデメリットもわかると思います。
なんのためにチャネルという考えで周波数帯を区切っているか、ですね。
そうです、干渉させないためですね。
チャネルボンディングを利用すると干渉する可能性が高まります。
干渉してしまうと、速度が遅くなるだけでなく場合によっては通信が切れたりします。
使用状況によっては、チャネルボンディングを利用することでかえって速度が落ちる、なんてケースもあります。
こちらがチャネルボンディングのデメリットとなります。
まとめ
本記事では、チャネルボンディングのメリットデメリットを簡単にですが解説しました。
ちなみに、通信規格には「11a」・「11b」・「11g」・「11n」・「11ac」がありますがチャネルボンディングを利用できるのは11nと11acです。
利用したい場合、Wi-Fiルータの設定項目を確認してみてください。
以上です。