はじめに
タイトルの通りですが本記事では外のインターネットに接続しない状況かつGUIを利用せずにインストールする流れを説明します。
要は「イントラネット」かつ「Xウィンドウシステムを利用できない」環境を想定しています。
ちなみに、WASとは?という方は以下を参考ください。
全体の流れ
- インストールマネージャーをインストール
- 応答ファイルを用いてWASをインストール
という二つのステップがあります。
ちなみに、このようなコマンドベースでのインストールをサイレントインストールと呼びます。
環境
バージョンはAIX 7.1。
# uname AIX # oslevel 7.1.0.0
IIMのインストール
IBM Installation Managerをインストールします。
IBM Installation ManagerとはIIMと略される、主にIBM製品をインストールする際の窓口のようなアプリケーションです。
今回は使いませんが、Xウインドウシステムを用いたグラフィカルな環境でインストール/アンインストール等々を行うこともできます。
インストールするためにIIMメディアをダウンロードし、サーバー上に配置します。
本環境でインストールした際はagent.installer.aix.gtk.ppc_XXX といったディレクトリの中にファイル群が格納されていました。
その中にCUI環境用のインストールスクリプト(installc)があります。
本スクリプトを実行すればインストールできます。
気を付ける必要がありますが、GUI環境用のインストールスクリプト(install)を実行するとアプリケーションエラーになります。X11等の環境が整っていれば利用できます。
実際のスクリプト実行結果は以下となります。
# ./installc -acceptLicense /opt/IBM/InstallationManager/eclipseディレクトリーにcom.ibm.cic.agent_XXXXがインストールされました
WASのインストール
IIMのインストールが完了しましたので、いよいよWASのインストールです。
同様にメディアを配置しますが、WASのインストールにはJava SDKが必要です。
合わせてダウンロードする必要があります。
本環境では
WASのリポジトリがwas.repo.XX.base
Java SDKのリポジトリがsdk.repo.XX.java8.aix
というファイル名でした。
インストール前の準備
配置が完了すればインストールに必要な情報をを取得します。
「/opt/IBM/InstallationManager/eclipse/tools/」配下に imclというプログラムがあります。
そしてそれぞれのリポジトリの中にrepository.configというのがデフォルトで入っています。
それらを用いて以下のコマンドを打つとリポジトリの情報として出力が返ってきます。
# ./imcl listAvailablePackages -repositories "WASリポジトリのrepository.configのパス" -features -long com.ibm.websphere.BASE.v90_XXXXX : IBM WebSphere Application Server : 9.0.0.0 : core.feature,ejbdeploy,.....
この結果の見方ですが、後ほど出てくる応答ファイルのタグとあわせて以下のように整理しておきます。
- offering id=>com.ibm.websphere.BASE.v90
- version=>XXXXX
- profile=>IBM WebSphere Application Server
- features=>core.feature,ejbdeploy,.....
この情報を用いて応答ファイルを作成します。
応答ファイルの作成
応答ファイルとは、IBM Installation Managerを用いてCUI環境でインストールする際に使用するXMLファイルです。
応答ファイルを利用したインストールをサイレント・モードと呼び、コマンドから製品パッケージをインストールできます。
サンプルはネットに転がっていますが、編集するポイントは以下に記載しておきます。
リポジトリロケーションは複数行で記載
<server> <repository location='リポジトリ配置ディレクトリ/was.repo.9000.base'/> </server>
としてWASインストールを行うと、Javaが足りないというエラーが出力されます。
# ./imcl input "WASの応答ファイルのパス" -log "ログファイルを作成するパス" -acceptLicense CRIMA1270E エラー:基本パッケージIBM WebSphere Application ServerではIBMJava...のインストール要件が満たされていません
つまりsdk.repo.XX.java8.aix も同時にインストールする必要があります。
以下のように記載します。
<server> <repository location='リポジトリ配置ディレクトリ/was.repo.9000.base'/> <repository location='リポジトリ配置ディレクトリ/sdk.repo.XX.java8.aix'/> </server>
listAvailablePackagesで取得した情報活用
応答ファイルの
<install> <offering profile='XX' id=`YY` version='ZZ' features='AA'/> <offering profile='xx' id=`yy` version='zz' features='aa'/> </install>
それぞれ、WASとJavaの情報を記載します。
結果
上記に注意するとインストール可能です。
# ./imcl input "WASの応答ファイルのパス" -log "ログファイルを作成するパス" -acceptLicense /usr/IBM/WebSphere/AppServerディレクトリにcom.ibm.websphere.... がインストールされました。 /usr/IBM/WebSphere/AppServerディレクトリにcom.ibm.java.... がインストールされました。
終わりに
インストール後にバージョン等の情報が知りたければ、
「/usr/IBM/WebSphere/AppServer/bin」配下にあるversionInfo.sh
で確認できます。
ちなみに、IHS等も同じ流れでインストールできました。
以上、ご参考になれば幸いです。