はじめに
公衆交換電話網を用いたデジタル通信規格のISDN*1のサービスであるINSは、NTTが提供しています。
本記事では企業向けINS回線のテクニカルな点や2024年問題についても簡単に説明します。
INS回線とは?
Information Network Serviceの頭文字でメタル回線か光回線かでサービス名が異なりますが、拠点間をつなぐデジタル通信サービスで、ATMやクレジットカード端末、警備会社システムや受発注システムにおいて現役で利用されています。
技術的には、DSU*2という終端機器をISDN回線と接続して利用します。
+-----------+ +-----------+ | | I N S Network | | | D S U +--------------------+ D S U | | | | | +-----------+ +-----------+
DSUにて回線を終端し、そこから先はダイアルアップルータという通信機器に接続してそこから先は従来のIPネットワークを構成してきます。
ちなみに、電話回線などの公衆回線網を通じて回線交換方式で遠隔地のシステムに接続することをダイヤルアップ接続と呼び、電話番号を持つのはDSUでダイアルアップルータはIPアドレスを持つイメージです。
そんな企業システムでも利用されているINS回線ですが、2024年問題を抱えています。
2024年問題とは?
INSサービスを提供するNTTは固定電話のIP網移行のスケジュールの中でISDNのデータ通信終了を2024年とする発表を行いました。
ちなみに終了に対するフォローとして
IP網切替後、ディジタル通信モードをご利用のお客様は、2024年1月までにISDN対応端末・システムの更改をお願いしたいと考えています。ただし、間に合わないお客様への当面の対応策として「補完策」を用意しますので、ご利用中の端末等の接続構成および設定を変更せず、2027年頃まで利用できます。
と公式でガイドされています。
ただし
ディジタル通信モードに比べると、利用する機器や通信プロトコルによっては遅延が生じる可能性がある
という文言があるため、データ通信に対する伝送遅延が許容できない場合は「専用線」や「IP-VPN」といった別の回線に移行が必要になります。
参考:VPNへの入門記事
終わりに
INS回線とはNTTが提供するISDNのサービスで、2024年にサービス終了が発表されています。
補完策に関しても併せてアナウンスされていますが、方向性としては廃止されていく回線だと思いますので企業のネットワークを担当している方は頭の片隅に入れておくことをお勧めします。
以上、ご参考になれば幸いです。