はじめに
Storage InsightsとはIBMが提供するSaaSでストレージのパフォーマンスモニタリングを通じて障害の未然に防ぐことを目的にしたサービスです。
本記事では以下リンクを参考に基盤観点でのアーキテクチャを分かりやすく整理しました。
アーキテクチャの概要
登場人物は以下の3つです。
ストレージ
モニタリングする対象のストレージです。
データコレクター
ストレージ情報を収集するサーバで、Windows機やUNIX機、Linux機が利用できます。
また、サーバを冗長構成でクラスターを組むことも可能です。
StorageInsights
クラウド上で展開されているSaaSです。
固有のインスタンスが起動しているので、サーバからHTTPSプロトコルにてデータを送付します。
以下、基盤レイヤーで少し踏み込んだ観点について整理します。
ネットワーク観点
サーバ(データコレクター)はストレージとSaaSの間に立つので、それぞれへアクセスできる必要があります。
本ツールをサーバ機にインストールすれば、インターネット回線の外にあるSaaSと接続を行いますが、サーバとSaaSのHTTPS通信が切断されてもサーバとストレージ間で情報収集は継続でき、接続が再確立されると送付を再開するデザインになっています。
サーバとストレージの通信に関しては、ストレージのマシンタイプにも寄りますが、例えばSNMPを利用するものがあります。
その場合は該当の機器にSNMPエージェントを有効にするなど、ストレージ側での設定も必要となります。
セキュリティ
ストレージに対して情報収集をするためのユーザー情報やIP アドレスはクラウド上に暗号化され、保管されます。
要は、ストレージへのアクセス情報をローカルでは持たずにクラウドからサーバに送信されて利用を行うというデザインになっています。この構成は、セキュリティを気にする場合は懸念点になります。
また、ストレージのユーザが悪用される点も考慮する必要がありますが、読み取り専用のユーザーの作成がサポートされていれば、それを用いることで本ユーザを用いたストレージへの変更は防ぐことが可能です。
運用
例えばWindows機では以下で手動でサービスの起動停止が行えます。
PS> dataCollector.bat start #起動 PS >dataCollector.bat stop #停止
また、SaaS側が計画停止を実施する際は事前にメールで通知するよう設定できます。
終わりに
基盤観点で要点を整理してみましたが、最新情報は冒頭のリンクより確認ください。
本記事が本ツールの理解の一助になれば幸いです。