はじめに
先日、行政システムの現状について調査していた際に発見したプロジェクトを紹介します。その名も自治体クラウド、です。
自治体の情報システムやデータを外部のデータセンターに移すことで複数の自治体で共同利用しようよ、という取り組みで総務省が推進しています。
本記事ではこれらの背景とメリットと推進ポイントについて解説します。
取り組みについて
背景
住民基本台帳や税務、福祉を行うシステムがその自治体の庁舎内の電算機に設置されていて業務処理をしているところが多々ある模様です。
たまに
XX市の住民情報を管理するシステムの障害で住民票などが発行できなくなった。市はY日、復旧作業が完了したと明らかにした。
といったニュースがありますがこのようなシステムが自前の電算室にあるところが多々ある、ということなのでしょうか。
クラウド化のメリット
- 情報システムの運用コスト削減
- 集中監視によるセキュリティ水準が向上
- 庁舎が被災しても業務継続が可能
確かにシステムがデータセンターにて運用されるのであれば、上記観点は達成されます。
ただし、その庁舎にある端末と情報システムが物理的に離れてしまうのでその点によるデメリットも考慮する必要がありますが。
ポイント
総務省が旗振りを行い、成果の横展開を行います。
そして全体方針としては「原則ノンカスタマイズ」と掲げています。
これらは予算や導入期間の短縮につながるだけではなく、以下の職員の知見に対する条件なようです。
詳細な要件定義を行った上で調達を実施する場合には、情報システムの調達に関する専門知識が必要となるが、地方公共団体の中には、必ずしもそういった人材が確保できない場合も考えられる。(自治体クラウド関連資料より一部抜粋)
終わりに
これらは総務省だけでなく、内閣官房IT総合戦略室や経産省ソフトウェア・情報サービス戦略室といった他の中央省庁も噛んでいるプロジェクトです。
個人的にも税金で運営されている自治体システムのランニングコストが下げることは、よりよいITサービスに予算をつけるいいきっかけにもなるのでぜひ推進して欲しいと思って紹介しました。
以上、ご参考になれば幸いです。