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(メモ)EthernetとATMの違い

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はじめに

日常に溶け込んでいるEthernetと教科書でよく見るATM、違いを整理したくて記載しました。
主眼は「ATMってなんぞ?」というところにし、巷にあふれるEthernetの解説はしていませんのでご注意ください。

(自分なりにメモ書きしていますが、もう少し情報が整理できれば再度更新予定です。)

ATM?

「Asynchronous transfer mode」の略です。日本でATMというと「現金自動預け払い機」を想起しがちですが「非同期転送モード」を意味します。

以下、ATMの特徴を説明しながら、Ethernetとの比較を入れています。

登場背景

開発された経緯は1980年にITU-Tが「音声、ビデオ、データを同時に転送できるネットワーク」の実現を目指して登場しました。実際に一部のISDNではATM技術が使われており、WAN向けの技術と言えそうです。

一方でEthernetは企業のコンピュータや一般家庭でも使用されるLANの技術として普及していますが、登場は1970年代なのでATMの方が新しい技術です。

データリンク層のプロトコル

これはEthernetと同じで、ATMはOSI参照モデルにおける第2層のプロトコルです。よって教科書では同列に括られて記載されることが多いです。Ethernet同様に第3層より上はTCP/IPを利用できます。

ただし、処理をするにはATM端末装置が必要なのでやはり一般の目に触れることはない技術のように思えます。

固定サイズのパケット

ここはイーサネットと異なる点です。

イーサネットの構造は
物理ヘッダ+イーサネットヘッダ+データ+トレーラ
となっており、データ部分が46bytes~1500bytesで可変長になっています。

ATMの構造はヘッダ5byte+データ48byte、計53byteで固定です。

普及

もともとの強みはパケットの大きさが53バイトなので、処理が単純で遅延時間を抑えることができた点にありました。
逆に、大容量のデータをまとめて伝送するような場面ではヘッダ部分の割合が大きい分、通信効率が悪化します。

近距離(LAN)のEthernet、遠距離(WAN)のATMと使い分けがされていましたが、遠距離に関してもイーサネット接続が行えるようになり、取って代わられつつある今日この頃のようです。

英語の文章ですが、以下のような悲しいものも見つけました。

Use of ATM technology was eventually largely superseded by Internet Protocol (IP)-only technology. Wireless and mobile ATM never established a significant foothold.

モバイル分野でも利用が検討されたものの、ATM規格は敗北したようです。

終わりに

そもそもの「LAN側で利用されない」ということで、親近感がない技術ですがWAN側でも利用されていないようです。
ただし、企業向けのネットワークではデータセンター間をINS回線や専用線で結ぶことは多々あります。

それらの規格はEthernetなのかATMなのか、興味を持って触れていきたいと思います。