はじめに
日本分子生物学会が刊行した「なぜなぜ生物学」という書籍にて表題の理由が解説されていました。
本記事では理由とそれに対する補足を整理しました。詳細はぜひ下の書籍を手に取ってみてください。
参考文献
心臓が左側にある理由
細胞に生えている毛が左右非対称の水流を作り出し、心臓が左にできる
どういうこと?
ポイントはなぜ全ての臓器は中心にないのか?という問いにあります。
要は何が臓器を右側に押しやったり左側に押しやるのか?というのが根本的な疑問です。
で、それの答えが細胞の毛の回転運動というわけです。
生物学用語でいうところの発生の初期にて繊毛という毛をもった細胞があり、その細胞が毛を回転させることで羊水に時計回りの水流が発生します。
その水流の影響で細胞が左右の所々に配置されることで臓器の位置が決定するというメカニズムが明らかになりました。
この毛の運動を繊毛運動(せんもううんどう)と呼び、人間以外の生物にも見られるミクロな運動なので話のネタに覚えておくとどこかで役立つやもしれません。
終わりに
「なぜなぜ生物学」という書籍ですが、他にもおもしろいテーマ(コンピュータと細胞の違い とか 遺伝子組み換え食品は何が問題なのか)が対話形式で織り込まれていて「そんなこと考えたこともなかった」と思うような疑問についてしっかり説明がされています。ただし、少し専門的な用語が飛び交うので腹落ちするまで理解するには土台となる知識が必要である点はご注意ください。
今回は、本書籍の疑問の中でも特に印象に残った「なぜ心臓が左側にあるのか?」という問いの紹介でした。
雑学程度の話ですが、ご参考になれば幸いです。