はじめに
例えばクラウドを利用する際、サーバの初期構築を行う必要はありますがストレージの構築作業は意識しない場合が多いです。ただしストレージ初期構築のコマンドやそれに付随する用語を知っていると、ストレージ周りの知識を得ることもできるので今回はStorwizeシリーズを元にしていくつかコマンドを紹介しました。
ストレージ構築用コマンド
mkuser
サーバの初期構築でも登場するコマンドですが、ストレージにももちろん存在します。
構築及び状況照会用のユーザが作成できます。
以下、構文例です。
mkuser -name testuser -usergrp testgroup -password testPassw0rd
SSH鍵を指定する場合はkeyfile
パラメーターも合わせて付与します。
mkmdiskgrp
ストレージプールを作成します。こちらはMdiskをさらに束ねたグループです。
以下、構文例です。
mkmdiskgrp -name testdiskgroup -ext 256
最後の「256」は論理的に連続した記憶領域のサイズが「256MB」であることを指します。
ちなみにストレージプールへのMdiskの追加はaddmdiskコマンドで行います。
addmdisk -mdisk mdsk1:mdsk2:mdsk3 testdiskgroup
chdrive
ドライブのプロパティーを変更が可能です。特に使うのは特定のドライブをホットスペアにする場合です。
以下、構文例です。
chdrive -use spare 6
最後の「0」はディスク毎のIDで、ドライブIDと呼ばれます。
mkarray
MDiskを作成します。ここではRAIDのレベルを設定します。
例えばRAID5であれば1つのディスク障害にも対応ができ、RAID6であれば2つのディスク障害にも対応が可能です。
RAIDを組むディスク本数は自由に設定でき、製品にもよりますが上限が16台も設定されています。
以下、コマンド例です。
mkarray -level raid5 -drive 0:1:2:3:4:5
後ろの数字はドライブIDです。6本でRAIDを組んでいることが分かります。
mkvdisk
Vdiskを作成します。サーバーから見て一塊のストレージに見える単位なので、ストレージ初期構築の肝のコマンドです。
それ故か、オプションがかなり豊富に存在します。
一例ですが構文例です。
mkvdisk -name A -mdiskgrp B -iogrp C -cache readwrite -size 10 -unit gb
-unit
はsizeを指定する際の単位でkb|mb|gb|tb|pbから選べます。
また、-cache
が不要な場合はnoneにします。
終わりに
本記事がストレージ関連の用語やそのイメージを掴む一助になれば幸いです。