★宇宙兄弟★
本記事では、漫画「宇宙兄弟 34巻」の感想や印象をツラツラと書いています。
前巻
ネタバレを含んでいるので閲覧はご注意ください。
以下、前巻末尾に記載があったあらすじです。
急ぎ月面を離れる「帰還チーム」と、天文台の完成を目指す「建設チーム」とに別れることになったジョーカーズ。
生存率の下がる恐怖、太陽フレアへの焦り、そして月面に残された孤独が六太とフィリップを襲う。
月ミッション最大の危機を、彼らは乗り越えることができるのかー。
印象に残った箇所
個人的に印象に残っている部分の紹介と感想です。
頑張りますとは言わない
遠隔での出術を頼まれるクジョー。
「前例はありませんが...出術を想定した医療機器や薬品の備えはISS内にあります」といった状況の中で心配するスタッフとのやりとりの後、託すものと託されるもののシーンです。
"前例"を作ってもらうぞ クジョー(ハガード)
・・・ええ やりましょ(クジョー)
ここで「頑張ります」と言わないところがポイントです。
期待をかけられた際に覚悟をきめたのであれば、返しは「頑張ります」ではなく「任せてください」が正解なんですよね。このシーンを見てふと思い出しました。
英断も受け止められ方によっては
月に残ると自ら志願した六太とフィリップ。
彼らを救出する案を地上にいるメンバーで検討しますが、失敗のリスクが高いと一蹴されます。
そして「そもそも月にいる飛行士二人は自ら志願して残ったんですよね?」というセリフのあとに続くシーンです。
ええ・・ですがそれは・・ 政府からの司令によるもので飛行士たちがそれに応えた結果ですので・・・(ゲイツ)
いやいや・・・ 私は「やり方は任せる」としか言ってませんよ(政府メンバー)
一見美談にも取れる話も、受け止められ方によっては不利に働くことがあります。
こんなエピソード、誰もが一度や二度は経験するのではないでしょうか。少し胃がきりきりしますが、印象的な描写でした。
泣ける家族エピソード
カルロは、夫を事故で亡くしたベティとの昔のやりとりを思い出します。
「ベティは前からたくましかったけど、さらに男まさりになっていくね。「男を寄せ付けないようにしてる」ってウワサされてるよ」
手術を前にベティから「もし私に何かあったら」という前提のもとで息子に伝言をカルロに頼みます。
「私はあなたの母親だけど」のあとに続くコマです。
この伝言を手術中に噛みしめながら、カルロは手術を成功させます。泣けるシーンでした。
全体を通して
月に残った六太とフィリップの掛け合いなども良かったですが、本巻はカルロがかっこよかったですね。
モニター越しに祈るしかできないモーリーのシーンなどを見ると、医療従事者はスペシャリストだな、と痛感します。
分野は違えど、IT分野で秀でるモチベーションになりました。
次巻も楽しみです。