★宇宙兄弟★
本記事では、漫画「宇宙兄弟 31巻」の感想や印象をツラツラと書いています。
前巻
https://www.mtioutput.com/entry/spacebrothers-30
ネタバレを含んでいるので閲覧はご注意ください。
以下、前巻末尾の抜粋です。
宇宙飛行士へ戻るために本格的に活動を始めた日々人は、慣れない環境ながらもロシアで新たな仲間とともに厳しい訓練をこなしていく。
かつては兄が弟の背中を追いかけていたが、今度は弟が兄の背中を追いかける。
兄弟で月面に立ったエディ&ブライアンに続け、六太&日々人!!
印象に残った箇所
個人的に印象に残っている部分の紹介と感想です。
本巻は日々人パートに六太パートに、心に来るシーンが多々ありました。
諦め≒決意
マキシムはヒビトに「NASAをどう思ってんだ?そう簡単に許せるもんじゃないだろ」と問いかけます。
それに対して、なんとも思っておらず、諦めただけ、と火を見ながらつぶやき、以下に続きます。
諦め切れないことのために諦めることもあるんだよ(日々人)
自分に置き換え、何かを「諦める」時には、その代わりに何かを得る決意を合わせて持ちたいものです。
マキシムがいいやつ
ロシア式の試験をロシアにレクチャーするメンバー。「順序は的確に、論理的に」「訓練で触れていないこともぶっこんでくる試験管がいる」などなどがあった際にマキシムはヒビトに言います。
とにかくヒビト・・・選ばれろよ 俺は当然選ばれる予定だ(マキシム)
最後に「俺は選ばれるけどな」とつけたすところも人間味があっていいですよね。登場時に地の底だった好感度がだんだんあがってくるキャラです。
行動なき自問自答は無意味
冷水に飛び込む伝統的なイベントに、若き日のボルシュマンは
「冷水と我々の関係は何か」「これをやる利点は何か」答えが出なければ入る気がしない
と述べた際の、若き日のイヴァンの返しです。
行動なき自問自答は不毛だぞ 答えは常に"踏み出した先"だ お前の考えが正解かどうか答え合わせをしてみろ(イヴァン)
理屈が先に来てしまう自分にとっても耳が痛い言葉ですが、
悩むくらいなら踏み出して答え合わせをする、確かに重要な姿勢です。
知ったこっちゃないの珍しい使い方
ヒビトとふたりっきりでの場面、「君の過去のことは知っている」とボルシュマンは切り出し、ヒビトは「はい」と返します。
そして以下のシーン。
知ってはいるが・・・ 同時に知ったことではない(ボルシュマン)
さらに
これだけは覚えておけ
もし君が月行きに選ばれなかったとしても
それは君の過去のせいではない
これに対して日々人は明るい表情で「はい」と答えます。
世の中では「お前の都合なんて知ったことではない」といったマイナスな使われ方をする分、逆に印象に残る言い回しです。
その後の「言葉足らず」だった言い回しの補足をするシーンも、涙腺が緩みます。
停電でワクワクした理由
月面基地内で停電が発生した際、ムッタは小学校が停電した時の感覚を思い出します。
こんな時にワクワクしてしまうのは きっと・・・ 私が一人じゃなかったから 私の仲間が 暗い不安をぼかすように冷静でいてくれたから(六太)
言われてみると子供の時に同様なことがあると、何故か非日常な事態への恐怖よりもワクワク感があったんですよね。
ふと少年時代を思い出してしまう、いいシーンでした。