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【入門】帯域幅とスループットの違い

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はじめに

ネットワーク用語である「帯域幅」と「スループット」ですが、特に「帯域幅」は使われ方が複雑で意味がこんがらがりやすいです。そんな背景もあり、本記事ではこの二つの用語を分かりやすく整理してみました。

そして結論から先に書くと”日常生活でこの用語を聞いた際”にはどちらも「速度」を表していると思って問題ないと思います。これらの単位はbit/s、まさに1秒あたりのビット数(≒速度)です。

帯域幅とは?

よく使う例えですが、狭い道路と広い道路、スムーズに車が流れるのは広い道路。
それと同じように通信の世界でも最高周波数と最低周波数の差が大きい(≒道が広い)方が単位時間あたりに送れる情報量は大きくなります。

このあたりはチャネルボンディングという無線通信の高速化でも採用されている考え方でもあります。

「帯域幅が広いほど送れる情報量が大きい/つまり通信速度が速くなる」という関係性は覚えておくと有益で、この観点において帯域幅は周波数の差ということで単位はヘルツで扱われます。

ここで注意が必要なのは帯域幅という用語がデジタル回線(デジタル通信)でも使われる点です。というのもデジタル通信における帯域幅は比喩的な意味であり、デジタル通信では周波数の幅を意識することなく一定の間隔でパルスを"1"/"0"で送付しています。

そして「そのパルスの幅が短い」、つまり単位時間あたりに転送可能な情報量が大きい場合に「帯域幅が広い」と言うことがあります。ここでいう「広い」という意味は「アナログ回線でいうところの帯域幅が広い」に通じ、それはビット/秒(bps)が高いことを指しています。

スループットとは?

こちらの用語の意味は「データの処理能力を表す」もので、インプットされたデータをアウトプットする能力、まさにスルーする能力です。同用語はコンピュータの処理能力を指すこともありますが、通信回線のデータ伝送能力を指すこともあります。

つまり、スループットという用語は通信回線,ネットワーク機器,パソコンのネットワークアダプタ,それぞれにあてはめて値を出すことができます。ここを理解すると、「スループットが低い機器が混在すると全体の処理能力を落とす」という表現が巷で聞かれますが、意味が分かると思います。

そして本題ですが、ネットワーク通信の世界におけるスループットはデータ転送速度を指すのでやはり単位はビット/秒です。

まとめ

スループットは間違いなく単位がビット/秒なのでわかりやすいですが、帯域幅は文字通り帯域の幅として使われる可能性があります。その場合は単位はヘルツ(Hz)です。そして、デジタル回線において帯域幅と比喩的な意味でビット/秒、つまりデータ伝送速度を指しています。

そんな背景もあって”日常生活でこの用語を聞いた際”にはどちらも「速度」を表していると思って問題ないと記載しています。逆にネットワークエンジニアの世界や物理の講義であればその用語が何を指しているのかは注意深く見る必要があります。

以上、二つの用語の簡単な解説でした。