はじめに
UNIXの一つであるAIX用システム管理ツールであるSMITはSystem Management Interface Toolの略です。
本記事では、SMITとはなんぞや、というところが掴めるよう分かりやすく記載していました。
環境情報
- AIX 7
SMITを起動して作業する流れ
デフォルトで以下のパスにsmitコマンドがあり、権限も全てのユーザで実行でき
$ which smit /usr/bin/smit $ ls -l /usr/bin/smit -r-xr-xr-x 1 bin bin 1824 Jun 28 2010 /usr/bin/smit
実際にsmitコマンドを実行すると以下のような画面がターミナルに表示され
システム管理 カーソルを選択したい項目に移動して、ENTER キーを押してください。 ソフトウェアのインストールおよび保守 ソフトウェア・ライセンス管理 エディションの管理 デバイス システム記憶域管理 (物理および論理記憶域) セキュリティーとユーザー 通信アプリケーションとサービス ワークロード・パーティション管理 印刷スプーリング 問題判別 AIX 暗号フレームワークの管理 パフォーマンスとリソース・スケジューリング システム環境 プロセスとサブシステム アプリケーション インストール・アシスト SMIT の使用 (情報のみ) F1=ヘルプ F2=再表示 F3=取消 F8=イメージ F9=シェル F10=終了 ENTER=実行
画面下部にあるようにファンクションキーとキーボードの矢印で操作をすることでシステムの設定変更作業をGUIライクに行えます。これは重大なミスに繋がる基盤作業のコマンド打ち間違いを防ぐメリットがあります。
ちなみにシステム変更作業には特権ユーザが必要で試しに
デバイス>コンソール>コンソール・ログ・ファイルの表示
と表示系の操作を実行してみるも以下のように表示されてエラーとなりました。
コマンド: 失敗 stdout: あり stderr: なし コマンドが完了する前に以下に追加指示が表示される場合があります。 0526-002 alog: ファイル /var/adm/ras/conslog を開くことができませんでした。 考えられる原因: - このファイルが存在しない。 - ユーザーに、このファイルに対する適切な権限がない。
確かに該当ファイルの権限を確認するとrootユーザにのみ読み取り権限が設定されています。
$ ls -l /var/adm/ras/conslog -rw--w---- 1 root system XX X X /var/adm/ras/conslog
またSMIT上で行う操作を次回以降はコマンドやスクリプトで実行したい場合、F6キーで実際に押下されるコマンドが表示できます。
今回の作業は以下のようなコマンドが表示されました。
| コマンド文字列の表示 | alog -t console -o
なお、入力を求められる画面にて「*」は必須項目、「#」は数字、「/」はパスを意味することも合わせて覚えておくと良いです。
作業ログ/画面表示
SMITで画面上で作業を行うとログがどこに残るのか気になりますが、デフォルトでは実行ユーザのホームディレクトリ配下に以下のファイルが作成されます。
- smit.log(表示された画面情報ログ)
- smit.script(実行されたAIXコマンドログ)
- smit.transaction(実行したコマンドの日付、説明、コマンドログ)
ちなみにsmitコマンドの実行時の引数にて出力先は変更可能です。
また、画面が乱れている場合はTERM変数を明示的に指定するとうまく表示されることがあるようです。
現在設定されている端末の情報はechoコマンド等で確認してみてください。
以下が例です。
$ echo $TERM xterm-256color
終わりに
本記事では、AIXのシステム管理ツールであるSMITについて簡単に紹介しました。以下記事でも記載したように基盤作業で都度利用できます。
以上、SMITの入門記事でした。