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【コロナウイルス】なぜ新しい病気が中国武漢で発生したのか?

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はじめに

Voxが上げた「Why new diseases keep appearing in China(新しい病気が中国で現れ続ける理由)」という動画が大変分かりやすかったので要点を抜粋しました。

内容は英語ですが、以下記事に目を通した上で動画を見れば内容も掴めると思います。

コロナウイルス

COVID-19、通称コロナウイルスの最初の患者は41人で、そのうち27人が武漢の食品市場(いちば)にいました。

中国当局はすぐに市場を閉鎖します。

何故食品市場でウイルスが蔓延したのでしょうか?

そもそもウイルスは動物由来であることは多々あり、他の病気でもウイルスは動物から来ています。

  • インフルエンザ -> 鳥や豚
  • HIV -> チンパンジー
  • エボラウイルス -> コウモリ

そして、今回のコロナウイルスは「コウモリ→センザンコウ→人間」と言われいます。
ちなみに以下がセンザンコウの画像。

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センザンコウの画像

なぜセンザンコウ(アルマジロに近い動物)が市場で売られているの?という答えは、センザンコウの鱗に価値を見出す人がいるからです。どんな層が買っているのかについては記事の後半で触れています。

鱗は漢方薬、媚薬の材料として珍重されている。実際にはセンザンコウの鱗は人間の毛や爪と同じケラチン質が主成分であり、古来より語られているような薬効はないことが医学的に確認されているにも関わらず、2000年代に入ってもなお中国などへ向けた密輸品が摘発されている

なぜ中国で発症したのか?

武漢市場では動物のゲージが積み重ねて管理していて、特に一番下のゲージの動物は他の動物から出た「排泄物」「膿」「血液」に触れやすく、ウイルスが動物から動物に移る環境が整っているとのこと。

そして武漢の市場は「ウェットマーケット」に分類される市場です。

ウェットマーケットとは、新鮮な肉、魚、農産物を販売する市場を指します。
このようなマーケットは世界中にあるものの中国の場合は扱っている動物の種類が多いことに特徴があります。(動物の場合、新鮮=生きた動物が市場にいることを指します)

この武漢のウェットマーケットには豚や鶏だけでなくコウモリやセンザイコウが売られています。

なぜ中国のウェットマーケットには野生動物がいるの?

歴史的な話として中国はもともと国で農業や畜産を管理していましたが、飢餓対策のために1978年に民間農業を許可します。

それに伴い大企業は鶏やトウモロコシや牛などを大規模に扱い、小規模農家は野生動物を捕まえて生計を立てるというすみわけがされました。ちなみに野生動物とはヘビやコウモリや亀などを指します。

この野生動物の市場は都度大きくなり、中国政府は野生動物の管理と繁殖を奨励します。

この流れによって豚,牛,鶏しかいなかった中国のウェットマーケットに野生動物が参入してきます。

動画では以下が市場に入ってきた野生動物として紹介されていました。

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工業的に育てられた野生動物(Voxの動画より抜粋)

尚、この野生動物市場の活況に伴い、虎やサイやセンザイコウといったの絶滅危惧種まで中国で捌かれ始めます。(ここは中国政府はノータッチ)

2003年にSARSが中国のウェットマーケットで発生

今回のコロナウイルスと同じような事態が過去起きています。

その際は、ジャコウネコにウイルスの痕跡を発見したことでウェットマーケットにてジャコウネコの販売が全て禁止されます。
が、それらが落ち着くとすぐにジャコウネコの販売禁止を解除。

この理由として動画にて語られていたのは、野生動物産業は中国政府に対して強力なロビー活動を行っていて政府側もそれを無視できない背景があったようです。

その後は市場は拡大を続け、2016年にトラ、センザンコウも野生動物として扱われ始めました。
下の図は、その背景が中国政府への金銭にメリットがある(ロビー活動)ことを指しています。

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トラ、センザンコウも扱えるように

野生動物は中国で食べられるのか?

ここがポイントで、中国の大多数の人々は野生動物を食べないようです。
むしろこれらの消費は強壮剤や病気の治療薬として、富裕層の間で人気があるんだとか。

先ほど例に挙げた以下の文言にもその片鱗が見られます。

センザンコウの鱗は漢方薬、媚薬の材料として珍重されている。実際にはセンザンコウの鱗は人間の毛や爪と同じケラチン質が主成分であり、古来より語られているような薬効はないことが医学的に確認されているにも関わらず、2000年代に入ってもなお中国などへ向けた密輸品が摘発されている

よってこのウイルスが発症してからというものの、中国のソーシャルメディアでは野生動物の流通に対して禁止を求める嘆願が集まっているとのこと。

まとめると

  • 中国ではウェットマーケットというその場で屠殺、販売を行う市場が存在し、さらにゲージが山積みになっているなど衛生的にずさんな管理がされている(コロナウイルスが生まれた背景)
  • 野生動物の市場やロビー活動の影響は中国政府も無視できないため野放しにされていた(SARSの教訓が生かされなかった背景)
  • 中国の大半の人々は野生動物を食べずに富裕層が消費している(中国全体で嘆願が行われている背景)

とのことでした。

ぜひ気になった人は冒頭の動画を視聴してみてください。