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【科学】ダイヤモンドの熱伝導率が高い理由

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熱伝導率

熱伝導率とは熱伝導による熱の移動のしやすさを規定する物理量です。

要するに物体の端っこをあっためた時に反対側の端っこにその熱が伝わりやすいか否かを数値化したもので、もっと分かりやすくいうと暑い日に肌にくっつけてひんやりするか。

一般的に金属はこの値が高く、調理器具が金属でできているのも熱伝導率が高いことが一番の理由であり、数ある金属の中でも銀、銅、金がこの順序で高いです。

で、本題のダイヤモンドについて。

ダイヤモンドの熱伝導率

「熱伝導率」と検索して一覧を眺めると、ダイヤモンドは銀と比較しても圧倒的に高い数値で居座っていることに驚きます。

以下はダイヤモンドの構成図ですが
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高校化学にてダイヤモンドの結合の強さを習いましたが、この結合の強さこそダイヤモンドの硬さの源であり熱伝導率の高さの源にもなります。

と言うのも熱伝導は以下の2つによって起こりますが

  • 電子の移動
  • 格子振動の伝達

電気抵抗が低い金属(電子の移動がしやすい)だけでなく、格子振動が伝わりやすい結晶においても熱伝導率が高くなります。

強い共有結合性の結晶構造は格子振動の伝わりさに影響を与え、ダイヤモンドは後者である「格子振動の伝達」によって高い熱伝導率を示しているというわけ。

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ちなみに上の例にダイヤモンドをもし入れるなら、値は900〜2000ということで一番右に位置します。

この値の幅は不純物の有無によって変動することに由来し、窒素がほとんど含まれないIIa型では2000が記録されるということ。どちらにせよ、銀を圧倒する熱伝導率を叩き出すことは間違いないです。

所感

電気伝導率に関しては金属に劣るダイヤモンドですが、熱伝導率に関しては圧倒的に値が大きいという雑学です。
ちなみに、同じく炭素原子で構成されるカーボンナノチューブはダイヤモンド以上に熱伝導率が高いということも合わせて覚えておきたい。

ダイヤモンドはこの熱伝導性を活かして半導体部品の放熱や炊飯器の内鍋に利用されているため、ダイヤモンドをお持ちの方はぜひ肌につけてみてください。金属以上にひんやりと感じるはず。