はじめに
本記事はWebSphere Application Server、略してWAS(ワズ)に関する入門記事であり、読者レベルとしては「アプリケーションサーバとはなんぞ?」という位の方を想定しています。
尚、具体的なインストール手順等は別記事に記載していますのでイメージを掴みたい方は合わせて確認ください。
WAS とは?
WASを一言で言うとデータベース接続やスレッド処理、ワークロード管理に強みがあるJavaベースの商用アプリケーションサーバであり、同ミドルウェアはIBMより提供されています。
まず大前提の知識となるアプリケーションサーバにですが、インターネットショッピングを例にします。
ブラウザでインターネットショッピングをしていると毎回決まったページが出てくるわけではなく、処理に応じて動的にHTMLが生成されていることは想像がつくと思います。この、バックエンドで動いている機能を提供しているのがアプリケーションサーバ(アプリサーバ)です。
具体的にはWebブラウザから通信に行く矢面に立っているフロント部分がWebサーバと呼ばれ、その後ろで色々とバックエンドの処理をしてくれるのがアプリケーションサーバとなります。
https://www.ibm.com/developerworks/jp/websphere/library/was/toranomaki/1.html より図を抜粋
WASの特徴
WASはJavaをベースにしたアプリケーションサーバとなるため、同サーバにはjarファイルに相当するファイルを配置して処理に応じてこれらを管理します。また、同じくJavaベースのアプリケーションサーバではオープンソースのTomcatやJetty、Springbootなどが競合としてあります。
ちなみにJavaベース以外のアプリサーバとしては、Ruby on Rails環境で利用するUnicornなどが挙げられます。
そしてWASユニークな特徴ですが、WASにはプラットフォームという側面もあるためJavaプログラムから利用できるAPIが多数用意されています。これによって開発者が一から用意しなくてもセッション管理、トランザクション管理、データベース接続、セキュリティーを商用アプリ構築で必要不可欠な機能を提供がされているため、サポートの充実具合と相まってエンタープライズな場面で利用されることが多いです。
終わりに
このアプリサーバの中にはWebコンテナやEJBコンテナが構成要素として存在するのですが、本記事では小難しいので割愛します。入門としては、Javaプログラムを動作させるプラットフォーム=WASとおぼえておけば必要十分だと思います。