BluePrismの基礎情報
ツール/開発企業
BluePrism(ブループリズム)は、
グローバルシェアがトップレベルの RPA ツールです。
基本的なところですが、RPA*1はロボティック・プロセス・オートメーションの略で、GUIによるパソコン操作等の効率化ツールとして語られることが多いです。
また、BluePrismはツール名であると同時に企業名でもあります。
同社はイギリスに本社を置くソフトウェア企業で、ロンドン証券取引所に上場しています。設立当初はイギリスの金融機関の業務改革をしていたものを汎用化しました。
株価を推移を見てみました。
2016年3月に上場して以来、ぐんぐん伸びていたのですが一旦2018年9月をピークに下がっているのが記事執筆中の状況です。
競合ツール
BluePrismは大規模環境で主に利用され、競合として主に挙げられるのが、UIPathとAutomation Anywhereです。どちらもツールであると同時に同じく企業名でもあります。
ちなみに、
RPAにおけるグローバルでのBluePrismのシェアは1位ですが、
IT先進国のアメリカにおけるRPAツールとしてはAutomation Anywhereが1位です。
この3つのツールですが、UIや管理手法は異なるものの、実現できる処理に関しては大差はないです。
非エンジニアの方は、ここまで知っていれば十分で、
「ブループリズム」という用語がでてきたら、「世界シェア1位のRPAツールのことか...」と連想できれば話についていけると思います。
BluePrismの技術情報
ここからはエンジニア向けに構成要素について簡単に概要を説明したいと思います。
構成要素の前に...
BluePrismを実現する主なキーワードは、以下の2つとなります。
- Microsoft .NET Framework
- SQL Server
Microsoft .NET Framework
.NET Frameworkとは、マイクロソフトが提供しているソフトウエア開発/実行用プログラムです。
これによって、BluePrismではWindowsの自動操作を実現しています。
そのため、BluePrismをインストールする用件として「Windows」または「Windows Server」となっています。
.NET FrameworkがUI Automationというライブラリを利用することで、画面の構成要素やそれらの親子関係を取り出すことができます。
SQL Server
後述しますが、BluePrismではDBサーバが必要です。
そのために、推奨としてMicrosoft SQL Serverをインストールする必要があります。
自動化を実現するために作成したフローの実体などは、全てこのデータベースに格納されます。
(データベースの中身のほんの一部)
BluePrismの構成
BluePrismは、アプリケーションサーバ、DBサーバ、クライアント/ロボットの3要素からなります。
これらは、1台にオールインワンでインストールすることも可能です。
アプリケーションサーバ
サーバですので、OSはWindows Serverを採用することが多く、.NET FrameworkとBluePrismをインストールする必要があります。
画面操作のロジックを作成したり、作成したロジックのスケジューラコントローラの役割を行ったりします。
DBサーバ
同じくWindows Serverの上に、SQL Serverをインストールすることが多いです。
実質的なデータは全てこのサーバのデータベースに格納されます。
クライアント/ロボット
こちらはWindows Serverを採用する場合もありますが、普通のWindowsを採用することもできます。
そして、アプリサーバ同様に.NET FrameworkとBluePrismをインストールする必要があります。
クライアントとは、RPA開発者がアプリケーションサーバに接続するために使用します。
ロボットとは、アプリケーションサーバからの実行指令を受けて実際に操作を実行する実体となります。
少し用語は違いますが、以下のように構成を説明しているサイトもあります。
https://www.ejworks.com/rpa/blueprism/index.html より画像を抜粋
構成を検討する際には、どこまでをデータセンターに設置し、どこまでを手元に置いておくのかが重要となります。
エンタープライズ向けなのでフリートライアル等が行えないですが、
ライセンスを利用できる環境にある方はぜひ一度ノートPCに全てインストールし、何かプログラムを作ってみることをお勧めします。
以上、BluePrismに関する説明でした。
*1:Robotic Process Automation