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【UNIX入門】AIX OSとは?

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AIXってなんですか?と聞かれればUNIX系OSの一つというのが本用語を始めて聞いた方への回答です。

ちなみに、読み方はエーアイエックスです。

本記事では、そこに周辺用語である「LPAR」や「smit」といった情報を足しながらざっくり解説していきます。

AIX とは?

AIXはPOWERマイクロプロセッサーベースのハードウェアで実行するように設計されたUNIX系のOSで、具体的には Advanced Interactive eXecutiveの略ですが、もともとはAdvanced Ibm uniXという名称だったと言われています。(商標等の理由でNG)

ここからもわかるようにAIXはIBMによって開発されています
ちなみに、IBMは他にもIBM iz/OSといったOSを開発しています。

UNIX系のOSでは競合としてオラクル社のSolaris、ヒューレット・パッカード社のHP-UX*1があります。

ジャーナリングファイルシステムを採用する世界最初のOSであったり論理ボリュームマネージャへの対応が早かったりと歴史的に見れば優位性がありますが、主に高信頼を求められるシステムにて採用されています。

Powerアーキテクチャ?

冒頭に記載した

POWERマイクロプロセッサーベースのハードウェアで実行するように設計されたUNIX系のOS

という文言ですが、このようなプロセッサーを搭載する機器シリーズはPowerSystemsと呼ばれます。

Power SystemsはミドルレンジのサーバでUNIX市場でシェアを持っており、以下のOSが稼働します。

  • IBM i
  • AIX
  • Linux on POWER

特にAIXはPowerアーキテクチャに特化して設計されているため、高信頼が求められる(つまり停止等が許されない)システムではAIXが採用されることが多いようです。

世間的にも、AIXといえばPOWER系プロセッサを搭載したサーバで動作するOSという理解が一般的で、このようにアーキテクチャとOSが対になっている例は他にもあり、SPARCアーキテクチャではSolarisPA-RISCアーキテクチャではHP-UXといった対応関係も併せて覚えておきたいです。

現在のサーバー市場におけるインテル社のx86アーキテクチャの牙城を崩すべく、GPUアクセラレーターを組み込んだりとPOWER搭載サーバの優位性を語ろうとしています。

LPAR?

PowerSystemsではPowerVMという仮想化ソフトを用いることで、ハードウェア資源を複数に分割共有することも可能です。

この分割されたハードウェア資源をLPAR*2と呼び、LPARに対してゲストOSとしてAIXをインストールするという構成もよく見かけます。

一般的に仮想化を実現する際にはハードウェアを仮想化して仮想マシンにはハードウェアを意識させない、というものがありますが、LPARはハードウェアの特性を活かした仮想化を実現します。

例えば、以下画像のようにLPARは仮想マシンが直接I/Oを利用したりします。
f:id:mtiit:20190310220007p:plain
https://thinkit.co.jp/story/2010/07/08/1639?page=0%2C2 より画像抜粋

この機構によってPowerSystems/AIXは高性能/高信頼を実現しています。
以下に対比としてPAPRと合わせて紹介しています。

SMIT

また、AIXの特徴にSMITと呼ばれる対話型インターフェースがあります。
ksh(Kornシェル)と呼ばれるデフォルトシェルでのコマンドラインによるシステム管理ではなく、GUIベースの対話型インターフェースはシステム管理者からすると重宝する機能です。

終わりに

海外の記事にて、以下のような記載がありました。

AIX is not your typical consumer operating system. It is mainly used for servers in large businesses where IT geeks get to work with it.

要はビジネス上重要な環境で採用されるということで、高信頼性が求められる場面で採用されるのは海外でも同じようです。

UNIXの系列として見ればAIXはSystemV系に属していますので興味があれば以下記事も参照ください。

以上です。ご参考になれば幸いです。

*1:HP-UX : Hewlett-Packard UNIX

*2:Logical Partition